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宮司が最近思ったことや
いま考えていることなど。

神田で赤米の収穫

収穫の秋を迎えました。方々の田圃でも稲刈りの終盤を迎えています。
富松神社には、赤米の郷という神田があって、赤米の耕作を行っています。

赤米は古代米として、対馬の豆酘(つつ)や岡山の総社でひっそりと伝承されてきました。今は赤米ブームとなり各地で耕作されていますが、30年ほど前までは、赤米の籾種はなかなか手に入りませんでした。

富松神社の氏子青年会・初代会長の山下常道氏は、中国の昆明(こんめい)の漢方薬店で売られていた赤米が目に留まり、その中に混じっていた籾粒から赤米の苗を仕立てられました。その苗から始まったのが、富松神社の赤米耕作です。

6月の田植えから168日間、神社の壮年部・賛助會の皆さんが、一週間交替で毎日、水を管理し、稲の生育具合を見、折々には草払いと、丹精込めて作って戴きました。

そして10月23日、赤米の抜穂祭を行い、稲刈り作業を行いました。奉仕者は賛助會員を始めとする総勢40名。お陰で今年は大豊作です。
精米、選別作業を経て、11月23日の神社での新嘗祭に初穂としてお供えします。
また氏子地域で88歳の米寿をお迎えの方々には、箱詰めの赤米を進呈します。本年は107名の該当者がおられます。加えて元旦の初詣の方々にもお配りしています。

神道は「稲作りがうまくいきますように」という祈りの中から生まれました。その原点に立ち返って、当神社では赤米の耕作を行ってきました。平成2年から約30年が経過します。
11月の末には、赤米の館で「かまあげ会」を催して今年の収穫に感謝し、耕作終了の慰労の祝宴を行います。これがまた楽しいのです。