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宮司が最近思ったことや
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390年の眠りから覚めた千々石ミゲル

新聞、テレビでも報道されていますが、諫早市伊木力にある千々石ミゲルの墓所の発掘作業が進められ、9月18日にほぼ終了しました。千々石ミゲルは、1582年から8年間、天正遣欧使節としてヨーロッパに派遣された四少年の内の一人です。

17年前にその墓所と思われる巨大な墓碑が発見され、8月中旬から4度目の発掘が行われていました。3年前の発掘では、その隣の墓抗からミゲルの妻と思われる女性の埋葬が確認されています。

9月16日、「ミゲル本人と思われる埋葬発見」との連絡が入りました。急ぎ伊木力の現場に駆けると、長さ140㎝、幅55㎝の棺に、南を向いて横向きに眠っていました。388年の眠りから覚めた姿がそこにありました。

ポルトガル、スペイン、そしてイタリア・ローマと2年半にわたり巡りながら、帰国後にキリスト教から離れ、大村湾沿いの伊木力という地で最期を迎えたミゲル。眠りから覚めたその姿を見て、その晩年、どういう思いで伊木力の地で過ごしたのでしょうか。青少年時代の栄光の日々を思い出すこともあったでしょう。様々に想いをはせました。同時にその霊魂が安らかに鎮まることを祈りました。

残った遺骨から、ミゲルはややきゃしゃな体格で、中世末期から江戸時代初期の日本人の体格をしていると、専門家の見解が現地で述べられています。

18日の発掘終了時には、ミゲルと縁深い西彼戸根の自證寺ご住職によって供養が行われました。